ソーシャルレンディングでよく見られる不動産担保

ソーシャルレンディングは企業に対する融資への投資であるため、融資金の返済における延滞や貸倒れのリスクが付いて回ります。従って、利用者にとっては、投資金に対する保証が最も重要な問題になります。その保証としてよく利用されるのが不動産担保です。 ●不動産担保におけるLTVの数値 不動産が担保になっていたとしても、その不動産に十分な価値が無ければ意味がありません。例えば、不動産の価値が1,000万円しか無いのに、融資金が3,000万円だった場合は、何の保証にもなりません。そこで、保証の有効性を表す数値として、「LTV」があります。 LTVとは、「Loan To Value」の略であり、担保評価額に対する融資額の比率を示しています。例えば、4,000万円を融資する時に、評価額5,000万円の不動産を担保に提供してもらった場合は、80.0%(4,000万円÷5,000万円)のLTVとなります。 ●投資金とLTVとの関係 LTVの数値が低ければ低いほど、融資の安全性が高いことになります。前記のように、4,000万円を融資する時に、評価額5,000万円の不動産を担保に取っていれば、返済が不能になったとしても、担保を売却することで投資金の全額回収が可能です。仮に、担保の価値が20%減ったとしても、投資金の確保が図れます。 一方、5,000万円の融資額に対して4,000万円の価値しかない不動産が担保であったとします(LTV125%)。その場合、仮に融資直後に融資先企業が倒産すると、最低でも1,000万円の投資金が消滅します。つまり、1,000万円は回収しておかないと、回収不能リスクが付いて回ります。また、担保の不動産の価値が下がった場合は、さらに危険期間が延びます。 従って、ソーシャルレンディングに投資する場合は、LTVの数値が100%以下のファンドを選択することが前提と言えます。100%を超えるファンドの場合は、投資金の消滅するリスクを念頭に置いておかなければなりません。 ●不動産担保におけるLTVの信頼性 LTVの数値はあくまでもその時点の価値を示したものです。不動産の価値というのは市場の動向によって変化するものであり、価値がいつまでも一定ということはありません。価値が下がればリスクが高まりすし、逆に上がればリスクは低減します。 また、不動産の資産価値は高いに越したことはありませんが、いざ換金という時に買主が見つからないと意味がありません。流動性の高い不動産であることも必要です。 もう一つ、LTVでは数値の信憑性の高さが重要です。例えば、4,000万円の融資に対して5,000万円の価値のある不動産を担保に取れば、LTVは80%です。しかし、担保の本当の価値が3,000万円しかなかった場合は、LTVの数値は133%になり、危険なファンドに変わります。 過去には、担保の不動産の価値を故意に水増しした悪質な業者がいました。そのため、融資金が焦げ付いた際に不動産を売却しても、売却代金では融資額の全額を回収することができず、多くの利用者が資金を消失することになりました。 ●重要なLTVの数値の検証 ソーシャルレンディングでは、LTVの数値が投資の可否を決定する重要な判断材料になります。そのため、LTVの数値が適正でないと、安全であるはずの投資が机上の空論になってしまいます。業者が明示した不動産の評価を鵜呑みにするのではなく、利用者自身で担保の内容を検証する意識が大切です。現在は、不動産を評価したデータをネットで検索できるようになっています。それには、詳細な情報を公開しているファンドを選択することが大前提になります。